ヒトラー〜最後の12日間〜

ヒトラー~最期の12日間~スタンダード・エディション [DVD]

ヒトラー~最期の12日間~スタンダード・エディション [DVD]

週末DVDレンタルが70円だったのでゲオへ。
最近、手塚治虫の『アドルフに告ぐ』を読み返して、第3帝国への興味が久しぶりに甦ってきたところだったので選んでみました。
降伏直前の大本営の様子を描いた内容で、ヒトラーはむろんのこと、ゲッベルス、ボルマン、シュペーアヒムラーそしてエヴァなどナチの大物幹部や側近がほぼ登場します。
僕が知っている限り、どの人物も過剰に歪曲された演出は施されておらず、むしろの普通の人間に近い存在で描かれており、かなりリアルです。
その辺はさすが当事者国ドイツで製作された映画だなと。
漫画『アドルフに告ぐ』に描かれている様子そのままに、窮地に追い詰められ精神が錯乱し、支離滅裂な言動を繰り返す総統に対して、ある者は変わることなく忠誠を誓い、ある物は見捨てて裏切り、ある物は諦めて自由意志を放棄していました。
敗北を悟った独裁者は降伏して国民を解放するどころか、逆に道連れにして滅ぼすことを望んでいました。
自らに権力を与えた民は当然、自らと運命を共にすべきだということです。
カリスマ性やらマスコミの報道などに踊らされ、偏った情報を元に冷静な判断を欠き、ある候補者や政党を支持し投票してしまうことの危険性を考えさせられました。
ドイツ国民の模範的な母親像”とされていたゲッベルス夫人が自らの6人の子供たちに、次々と毒を飲ませて殺していくシーンにどうしようもない遣り切れなさを覚えました。
政治家に対する胡散臭さが拭えず先行き不透明なこんな時代だからこそ、是非皆さんにも観てもらいたいです。